『My Story』
~ミホ・ワールド~
私がタトゥーを彫った理由
その人は
いつでも
わたしのことを『薔薇』にたとえた。

「ミホは薔薇のようだよ」と
わたしを
薔薇から生まれた天使だと言った。

その人と
『永遠の愛』はどんなものなのかを
ふたりで話した。

たとえば消えない何かを
互いの体に残したなら
永遠の愛の証になるのかとか

そんなことを
ふたりで話した。

だんだんとその話は
エスカレートしていき
『永遠の愛』を得るために
わたしはひとつのことを思いついた。

タトゥーを彫ること。

「ねぇ
もしも
わたしが胸にタトゥーを彫ったら
ずっと愛し合っていられるかしら?」

その人は
興味深そうにタトゥーの話に同意した。

わたしは
『永遠の愛』を勝ち得るために
胸にタトゥーを彫ることにした。

けれども
わたしは彫ってすぐに
大きな後悔に襲われた
...というのか
ハタと我に返った。
こんなタトゥーひとつで
永遠の愛を得ることができるとは
やっぱり到底、思えなくなっていた。
そして
わたしはその後悔を
その人には告げられずに
ひとりで思い悩むことになってしまった。

『永遠の愛』を勝ち得るための
タトゥー。
そうよ、そう思えば悪くはないわ、と
自分で自分に幾度も言い聞かせたのに
結局
その人とはタトゥーから
数ヶ月後には別れた。

残ったのは無残に刻んだ
薔薇のタトゥーだけ。


自分の体を粗末にした
そんな愚かな恋もあった。



関連記事